
「寝たきりにしない、させない」
高齢化社会を支える整形外科専門病院としての私たちの使命
高齢化が進む今、ちょっとした転倒が「そのまま寝たきり」につながることがあります。
太ももの付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)や背骨の骨折(椎体圧迫骨折)は、こういった「寝たきり」に直結する外傷の代表例で、骨粗鬆症を背景にしていることからまとめて“脆弱性骨折”といわれています。
こういった骨折が生じた際に、適切なタイミングで適切な治療を行い、早期にリハビリを始めれば、また「いつもの暮らし」に戻ることが可能です。
私たち下井病院は、こうした高齢の方々を支える地域密着型の整形外科病院として、「健康寿命を延ばす」ことを第一に考えています。
骨折しても、もう一度立ち上がる力を。
では、「適切なタイミングで適切な治療を行う」とは具体的にどのようなことでしょうか? まず、大腿骨近位部骨折では手術の早期実施が不可欠です。1日でも早く手術をして骨折を治すことが、歩行回復・在宅復帰の第一歩となるのです。一方、脊椎圧迫骨折は必ずしも手術が不可欠ではありません。時に手術をしない(保存療法)場合もあります。ただし保存療法ではどうしてもベッドで寝ている時間が長くなり、その間に足腰が弱くなることが否めません。当院では少しでも足腰が弱くなることを防ぐために、早期に経皮的椎体形成術(BKP:バルーン カイフォプラスティ)という手術を積極的に行っています。手術時間が20分程度で出血もほとんどないので、高齢者にとって体の負担が少なく、手術翌日からの歩行が可能になります。
以上をまとめると、骨折しても積極的に早期に手術を行うことが「再び歩ける生活」を目指す第一歩となりうるのです。当院では年間400~500例の手術を行っていますが、その多くはこういった高齢者の骨折手術となっています。
ただし「早期に手術する」だけでは、本当の回復とは言えない
1日でも早く骨折を治すことが、歩行回復・在宅復帰の第一歩となるのですが、早期の手術だけでは十分ではありません。近年では、術後すぐに退院や転院を促され、リハビリが不十分なまま生活に戻ることを余儀なくされるケースも少なくありません。下井病院では、「入院して、手術して、リハビリして、元の生活に戻る」――この一連の流れを院内で完結できる体制を整えています。この点が当院の特徴の一つと言えるでしょう。 さらに、骨粗鬆症によって骨折が生じているので、手術で骨折を治しても骨粗鬆症自体を治療しなければ、また新たな骨折(二次性骨折と呼びます)が生じかねません。このような視点から私たちは骨粗鬆症による二次性骨折の予防にも積極的に取り組んでいます。
さらに、骨粗鬆症によって骨折が生じているので、手術で骨折を治しても骨粗鬆症自体を治療しなければ、また新たな骨折(二次性骨折と呼びます)が生じかねません。このような視点から私たちは骨粗鬆症による二次性骨折の予防にも積極的に取り組んでいます。
ユニークでアカデミック、そして明るい病院を目指して
当院は、地域の皆さんにより身近に感じていただける病院となれるよう、そして高いレベルでの医療サービスを提供できるよう“ユニークでアカデミックな病院づくり”のための取り組みを推進中です。
スタッフ間で楽しく雑談もできるような明るい雰囲気づくりを意識するだけでなく、患者さんに対しても笑顔やポジティブな声掛けなどを心がけています。
“患者さんが退院する際に他の入院患者さんがエレベーター前まで笑顔で見送る”など、院内に明るい雰囲気が見られます。今後もこうした取り組みを続け“患者さんが前向きになれる、笑顔あふれる病院”にしていきたいと考えています。
さらに当院では、アカデミックな学びの機会を職員にも広げたいと考え、希望者を募り外部の医療系講演会などに積極的に参加しています。
今後はさらに、「寝たきりを防ぐ医療」「再び歩ける未来のための医療」の啓蒙活動として、地域の皆さんに関節や骨に関しての講演会や、転倒防止教室の開催などを計画しています。「骨折の治療」ではなく、その前の「骨折させないため」の取り組みですね。
地域とともに、「歩く力」を支える
私たち下井病院は、骨折からの回復、そして“寝たきりにしない”未来を見据え、医療の質、院内の明るさ、そしてスタッフの学びのすべてに力を注いでいきます。
骨折した後の治療だけでなく、「骨折しないための地域活動」にも積極的に取り組んでまいります。
転倒しても、もう一度立ち上がれるように。
骨が折れても、人生は折れないように。
私たちは、これからも地域の皆さんの“歩く力”を支えていきます。
2025年7月
院長 西村 慶太
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2025.08.04
外来担当医師一覧表を更新しました
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2025.06.01
入院患者面会禁止を撤廃し、予約制の面会としました
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2024.07.01
新院長に西村慶太医師が着任しました
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2024.06.30
金沢輝久院長が退職しました
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2025.06.13
停電を伴う電気設備点検のお知らせ
下記の日時、停電を伴う電気設備点検のため、電話が不通となります。
2025年6月13日(金)14:00〜16:00 -
2024.12.11
年末年始休診のお知らせ
年末年始の外来診療は、下記の期間休診いたします。
休診日:2024年12月29日(日)〜2025年1月3日(金)
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2025.08.04